茉莉花の少女
「わたしはあなたのことが好き。

多分、それは一生変わらないと思う。

あなたの傍にいる限り絶対に裏切らない。

だから、あなたが苦しんでいるなら話してほしい」

 人の心を無視した、自分の気持ちを押し付けていると思えなくもない言葉だった。

 否定的な気持ちを抱きつつも、目から溢れてくるものに気づく。

 それは頬に触れた彼女の手があまりにあたたかかったせいだ。

 それは父親が見知らぬ女性といるときに感じたものと同じものだった。

 全て仕方ないと諦めようとしていた。
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