茉莉花の少女
「茉莉さんが出かけようって」

 一応兄の前では先輩でなくさんづけで呼ぶことにした。

「俺は行かないから、お前たちで行って来い」

「でも」

「いいよ。あいつも知っていることだから」

 僕はその言葉に返す言葉もなく、彼女と待ち合わせをしているホテルのロビーまで行くことになった。
< 163 / 362 >

この作品をシェア

pagetop