茉莉花の少女
 彼女の自分を飾らない、子供のようにあどけなく、まっすぐ純粋なところに惹かれていたのだろう。

 そう感じたのは彼女はあまりにも自分と似ているようで違う世界の住人だったから。

 ただ、その存在が眩しくて、謎めいていた。

 自分の嫌な部分が彼女といるときだけは消え去ってくれそうだった。

 そう思ったのは、彼女には取り繕う必要もない、素直な気持ちを伝えることができたからだ。



 それが僕にとっては救いだったのかもしれない。
< 171 / 362 >

この作品をシェア

pagetop