茉莉花の少女
そう言うと、彼は出て行ってしまった。

 今日も仕事なのに迷惑をかけてしまったのだろう。

 僕は枕元を見ると、タオルと未使用の歯ブラシが置いてあった。

 とりあえず、僕は洗面所に行くことにした。
 夏休みに彼女の家に通っていたので、どこに何があるのかは分かっていた。

 準備を終わらせ、リビングに入ると、もう茉莉は席に座っていた。

「お父さんは?」

 なんとなくイメージ的に一番怖そうな感じだった。

「まだ寝ていると思うよ」

「昨日、泊まったこととか知っているのか?」
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