茉莉花の少女
 すぐに出てきたのは彼女に良く似た、髪の毛をロングヘアにした黒髪の女性。

 彼女は僕を見て、にやっと笑った。

「もしかして彼があの子?」

「そうよ。かっこいいでしょう」

 何か前から話が通してありそうな雰囲気が漂っていた。

 僕は教室の中を遠目に見る。

 その中でクラスメイトに話しかけられて優しく微笑んでいる彼女を見つけた。

 僕といるときより、雰囲気がやわらかい気がする。

「どう?」

 と言ってきたのは林のお姉さん。

「別に」
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