こんな世界でも君となら…
「……あんた何してんの」
沈黙を破ったのは彼だった。
呆れたような声。顔は見えないケドきっと呆れられてるんだろうなぁ。
ハァ、なんかツイてないな…。
死のうとしたけど今こうして生きてるし。
しかも死のうとした所を人に見られた上、フェンスから落ちるし。
ん…?フェンスから落ちる?
そうだ、私フェンスから落ちてあの彼まで巻き込んじゃったんじゃなかったけ…?
私があそこから落ちても無事だったのは彼が下にいてくれたからで。
え、うそホントにケガとかしてないよね?
してないよね!?
でも思いっきりぶつかっちゃったし、背中とか打ったみたいだったよね…
どうしよう!もしケガでもあったら…!
「ねぇ、あんた、」
「はうわぁ!ご、ごめんなさいごめんなさいぃぃ!
ケガとかありませんか!?ありませんよね!
きっとそうですよね!?すみませんすみません!!どうか許してくださいまし!!」
「うわっ!?」
いきなり起き上がったせいで彼がびっくりしてた気もするケドまぁ置いといて。
とにかく謝る。土下座する勢いで謝る。
なんか変なコト言っちゃってる気もするケド。うん、気のせいだよね、うん。
とにかく今までで一番ってくらい謝り続けていると、
「…ぷっ、ふはっ……っはは!」
……笑い声が聞こえてきた。