こんな世界でも君となら…
目を開けた目の前にいたのはやっぱりあの彼。
私が押し倒しているような形で倒れていた。
肘をついて私を支えてくれてる彼。
目の前には彼の胸。
少し目線を上げると彼と目が合った。
私は彼から目が離せずにいた。
ミルクティー色のさらさらな髪。
二重でカカオブラウンの大きな瞳。
傷一つない白い肌。
欠陥なんてない作られた人形のような美少年。
お互い目をそらせないままでいると、先に我に返ったのは彼だった。
「…おい、」
「っうぇ!?す、すみません!ごめんなさいっ!!す、すぐどきま、」
そうテンパりながら退こうとした。
が、足を躓かせて転んだ。…それはもう思いっきり。
ガンッという音と共に地面にぶつけたおでこは
すごい痛い。
あぁ、恥ずかしくて顔が上げれない。
なんでこの状況で転んじゃうんだろう。
沈黙が痛いです…。もう泣きそう…。