こんな世界でも君となら…
思わず目を見開く。
振り向いた先には…
とても綺麗な顔をした同い年くらいの
男がいた。
男の方も人がいるとは思ってなかったのか、
軽く目を丸くしていた。
ぼんやりとした灯りの中でも分かるくらい
端正な顔立ち。
そしてそのままお互い見つめ合ったまま
かたまっていた。
え、ど、どうしよう。
なにか言ったほうがいいのかな…。
でもあの男の子も動かないし…。
それにしても綺麗な子だなぁ。
男なんだけど男っぽくないっていうか、
中性的な感じ?
うん、カッコいいよりキレイっていう顔。
心の中でそんなコトを考えていた。
そして数秒、数十秒?見つめ合って後、
あの男の子が口を開いた。
「……たも…で………んだ」
「え?」
小さな声で呟いた。
それは小さすぎてよく聞こえなかった。
思わず聞き返すと、
「いや、なんでもない。
アンタここでやろうとしてんでしょ?
なら、俺は帰るわ」
「…ふぇ?」
こちらを見ながらさらりと言った言葉に、
呆気にとられてしまった。
恥ずかしい…変な声でた……。