明日、別れましょう
ワカレル?
なんだっけ、それ。
最初は、言葉の意味が分からなかった。
頭真っ白になって、藍羅がなんて言ったのか理解できぬまま、彼女を見つめる。
黒いサラサラの髪を揺らして小首を傾げた彼女が、青白い顔をして、情けなく笑った。
「別れよ?」
「……どうして」
いや、それを聞く必要はないだろ、俺。
もともと、別れる前に最後の1回ってつもりで今日デートに誘ったんだろ?
別れる覚悟は、できていた。
なのにどうしてうろたえる必要があるんだ。