ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛

「…原さん、甘いの苦手なんじゃないの？」

「うん、苦手だけどね」

「え？じゃあなんで」

「彼方がくれるものなら、何でも美味しいから」



甘いものは、苦手。それはチョコレートアイスでも同様で、本当は一口で甘さに表情が苦くなってしまいそう。

けど彼方が美味しいって言ったものを分けてくれるなら、いらないなんて思えない。寧ろすごく、美味しいよ。



「びっぐまん、たべるー？」

「いや、俺は…」

「あい！ひとくち！」



すると続いて彼方が差し出したアイスに、青井くんは少し困惑しながらも恐る恐る一口を食べる。



「おいしー？」

「…本当だ」

「へ？」

「原さんが言う通り、美味い」



口の周りにチョコレートをつけて笑う彼方に、つられたのかその顔からもこぼされた笑み。

わ…、また笑顔。優しいその笑顔に、つい心がまたドキリとする。