ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「けど、口の周りチョコつけすぎ」
「ついてるー??」
「ついてる」
そんな私の気持ちなど当然知る由もなく、青井くんは彼方の口の周りについたチョコアイスを、近くにあった紙ナフキンで拭った。
「あはは、青井くんいいお父さんになりそう」
「そう?…あ、」
「え?」
すると不意にとめられたその視線。何だろう、そう思った瞬間伸ばされた彼の指は私の口元をそっと撫でる。
そっと触れる長い指、冷たい体温。吸い込まれそうな瞳に、心臓は一段と大きく跳ねた。
「なっ…!?」
「原さんも、口の端にチョコついてた」
「え!?」
どうやら本当についていたらしく、彼は私の口の端を拭った指をペロリと舐める。その色っぽい仕草に、一気に顔が熱くなる。
い、いろんな意味で恥ずかしい…!
「みくちゃー、かお、たこさん?」
「え!?そう!?」
「たこさん!まっかー!」
あぁ、もうやっぱり、彼がいちいちドキドキさせるよ。耳まで真っ赤になって、熱くてどうしようもないくらい。小さく触れただけ、それだけで。