ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「そうだったの。ごめんなさいねぇ、うちの子が迷惑かけて」
「…いえ」
「もう、彼方いい加減に離れなさい!」
「やー!!」
「あ、だったら青井くん、うちでご飯食べていったら?」
「へ?」
すると突然お母さんが言ったのは予想外の一言。そのことに私も青井くんもキョトンと首を傾げる。
「ご飯食べればそのうち彼方も寝ちゃうだろうし…そしたらその隙に帰っちゃえばいいのよ」
「いや、けど…」
「あらダメ?」
「ダメ、じゃないっすけど…ご馳走になるなんて、厚かましい…」
「あらあら、いいのよ!6人も7人も変わらないんだから!」
ね、と笑うお母さんに、まだ泣きながら青井くんにしがみつく彼方。そんな二人に青井くんは更に困惑したような顔で、渋々ながら頷いた。
「…じゃあ、お言葉に甘えて」
「なら家に入りましょ。カレーも後はルー入れるだけだから」
…って、なぜこんなことに…!青井くん絶対困ってるよね、嫌々渋々だよね…!
冷や汗をかく私のことなど気に留めることもなく、先に家にあがっていくお母さんに続き、青井くんも歩き出す。