ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「彼方、ここで寝てたんだ」
「うん。だから起こさないようにと思って」
彼方の為に部屋の明かりも消して、月明かりだけで過ごしていたのだろう。彼の細やかな気遣いを無駄にしないよう、私も声を潜め縁側へそっと座る。
「ごめんね、一日中彼方がベッタリで…」
「いーよ。寧ろこんな風に子供に好かれたことないから、新鮮」
「そうなの?」
「大体デカさに怖がられるから」
「あー…」
私から見ても充分大きいもんね、子供から見れば余計大きく見えるか…。けれどその言い方から、彼自身は子供が嫌いなわけではないのだろうことを知る。