ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「あっ…大竹映像制作会社の方でいらっしゃいますか?」
そうしていると急ぎ足でやって来たのは、この旅館の従業員の制服を着た若い女性。彼女は一番出入り口側にいた矢口さんへと声をかける。
「はい、そうですけど…」
「今、近くの交番から連絡がありまして、お連れ様の原美紅さんという方を保護しているとのことで…」
「…!?」
ほ…保護!?
突然のことに、その場は一気に騒然となる。
「保護って…美紅に何かあったんですか!?」
「あ、ええと…」
慌てたように阿部さんに詰め寄られ少し戸惑う女性従業員に、俺は問いかける。
「交番ってどこっすか」
「え?あ…そこの風俗街を抜けた先に」
「…俺行って来ます」
「へ?青井?」
そしてそれ以上話を聞く余裕もなく、その場を飛び出し交番へ向かい走り出した。