ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
何をやっているんだよ、あの人は…。
どうせまたぼんやり歩いて、うっかり何かに引っかかったんだろう。彼女はきっと、そういう面であまり賢くはない人だから。
この前あれだけ思い切り拒まれたんだ、俺が行ったところで嫌がられるかもしれない。
けど、それでも大人しく待つなんて出来ない。心配で、不安で、落ち着かない。
彼女のことになると余裕もなく、こうして心を揺さぶられるんだ。
「っ…原さん!!」
「…!」
無我夢中で通りを抜け、着いた小さな交番。勢いよくそこの戸を開けた俺に、向けられたのは浴衣に上着を羽織った姿の原さん。その目は驚いて俺の方を見る。