ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「あ、青井くん…!?なんで…」
「交番から、連絡あったって…聞いて、…」
息を切らせ乱れた浴衣を直しながら確認すれば、椅子に座っている彼女は怪我をしている様子もなく、何ら被害は感じられない。
よかった、何もなかったのか…。その姿にどっと込み上げる安心感。
「あ、お迎え来ましたか?」
「すみません、うちの社員がお世話になって…」
そうしていると奥からやってきた警察官は、ニコニコと愛想よく声をかける。
「社員ってことは…いやー、本当に社会人だったんだねぇ。ごめんね疑って!帰っていいよ!」
「だから何度も言ったじゃないですか…」
「…へ?」
「でも君みたいな子がこんな道歩いてたら、未成年が深夜徘徊してると思っちゃうでしょー。実際問題、旅館があるせいか多いんだよねぇ。未成年の深夜徘徊」
その会話から察するに、保護っていうのは何か事件があったわけではないらしく…。
「…もしかして、補導?」
問いかけた俺に、彼女はえへ、と苦笑いを見せた。