ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



そんな話をしながら矢口さんと二人廊下を歩いていけば、何気なしに目に入るのは廊下の端で誰かと話す原さんの姿。

その隣に立つのはあの年上男…取引先である結婚式場の奴であることに気付く。資料を手渡していることから、それを渡しにわざわざこちらへ出向いて来たのだろう。


…郵送でいいだろ。

そう思うものの、わざわざ顔を見て手渡ししたいのだろう。その気持ちの意味は、俺ですらもわかってるのに…何も気付かず彼女は笑う。



「あ…あれベルジーンの担当じゃん。原、あの人と仲良いよなぁ」



隣の矢口さんも同じところを見ていたらしく、その光景を見つめながら言う。



「…何でも原さんのお兄さんの友達だとかで」

「あー…それでか。けどまぁ、多分向こうは原に気があるだろうけどな」

「矢口さんもそう思います?」

「あぁ。ていうかわかりやすいだろ、あれだけ原に可愛がってるオーラ出してれば」


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