ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「俺は原さんに冷たくしてるつもりはないし、怒るのは原さんが迂闊だったりどの男にも同じように接するから。優しくするのはそうしたいと思うからで、笑いたくなるのは原さんが笑ってくれるから」
その目は真っ直ぐにこちらを見つめたまま、いつものように顔を覗き込むようにして近付く。
「なんで…私のこと嫌いなんじゃなかったの…?」
「…俺、そんなこと言ったっけ」
「言ってない、けど…拒んだし、私だけはありえないって言ってたの聞いたことあるし…」
呟いた言葉に彼はあー…と記憶を探るようにして思い返しながら、そんなこともあったかも、なかったかも、とうーんと考える。
「あー…それは、その。原さんが怖かったから」
「そ、そんな怖い顔してた!?」
「いや、そっちじゃなくて」
怖い、…?
その言葉の意味がよくわからず首を傾げると、青井くんは覗き込む形から姿勢を正す。そして照れ隠しなのか、口元を右手で覆うようにしながらぼそぼそと話し出す。