ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「…いいよ、それでも。やめないで」



その本音に応えるように、私も本音を伝えよう。

私はそう呟くと、先程まで腕を掴んでいたその大きな手を両手でそっと握る。



「青井くんが思うほど…難しくなんてないよ」

「え…?」

「私は青井くんの前ですぐ泣くこともあるかもしれないけど、でもそれ以上すぐ笑顔になれる」



あなたの言葉だから悲しくなって泣いてしまうけれど、あなたの言葉だから嬉しくなって笑えてしまう。



「それに思うほど弱くもない。青井くんから見れば小さくて頼りないかもしれないけど…大丈夫」



伝わってほしい、この気持ちのひとつひとつ。あなたを想うと幸せなこと。この指先から、あなたに全て。



「青井くんのこと怖くなんてないし、寧ろ嫌われる方が怖い。だから触れてほしい。…青井くんのことが、好きだから」


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