ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「大まかなところさえ合ってれば細かい点は美紅ちゃんに任せるよ。俺、美紅ちゃんのセンス好きだから」
「本当ですか?よかったです」
「BGMの使い方や光の加工もすごく上手で、センスあるよね。本当、ヤスの妹とは思えないよ」
「あはは、お兄ちゃん大雑把だし家族内でもダントツでセンス悪いですから」
「あぁ、確か息子くんの名前に『与作』ってつけようとしてたんだっけ」
懐かしいなぁ、と笑う桐谷さんはお兄ちゃんと同じ歳とは思えないくらい落ち着いていて、穏やかな瞳を細める。
…いつ見ても格好良い人だなぁ。
お兄ちゃんと桐谷さんは高校生の頃からの付き合いで、私もその頃から彼のことを知っているけれど、何年経ってもその表情は変わらない。
優しげな瞳によく笑う口元。目鼻立ちのはっきりとしているいかにもモテる男といった顔の彼に、私は手元のペンを愛用している緑色のペンケースへとしまった。
「その息子くんももう5歳だっけ?早いよねぇ」
「最近ますます綾奈ちゃんに顔が似てきて、可愛い子に育ってますよ」
「へぇ…何度か会ったけど、奥さん美人だもんね」
「本当、あんな美人をどこでどう捕まえたんだか…あっ、彼方の写真ありますよ!見ます?」
可愛い彼方の話題となれば私のテンションも自然と上がってしまうもので、彼の返事よりも早く携帯を取り出す。そしてうきうきと表示させたデータフォルダの画像に、桐谷さんは携帯を覗き込んだ。