ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



座った位置から見上げる彼は、いつも以上にますます大きい。

けど打ち合わせ中のお茶出しなんて新人の仕事なのに…青井くんが持ってくるなんて珍しい。



手が空いてるのかな?そう思いながらカップを受け取ると、彼はそれ以上の会話もなくスタスタと奥へ去って行く。

その後ろ姿を見つめてから、『いただきます』とカップへ口をつけた桐谷さんに続くように、私も一口コーヒーを飲んだ。が



「ぶふぉっ!!」

「わっ!?」



口の中に広がる苦味の一切ない甘い甘い味と、溶け切っていない砂糖のジャリとした感触に私は思わず噴き出してしまう。



「美紅ちゃん大丈夫!?」

「は、はい…少しびっくりしただけで…」

「へ?」



な、何これ…

甘い!甘すぎる!嫌がらせ!?

この前私、甘いの苦手って言ったよね!?ココアとお茶交換してくれたよね!?ていうか砂糖どれだけ入れてるの!?



絶対わざとだ…!

こんな地味な嫌がらせするなんて…意外と子供!



「っ〜…」



やっぱり、仲良くはなれないみたいだ。





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