ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
急いでいるわけではないし、次の電車にしようかな…。
今朝のあの電車内の息苦しさを思い出し乗車するのをやめようとしたものの、そんな意思を無視するように乗り降りする人の波は私を巻き込み電車へと乗せていく。
「あっ、わっ…」
そして降りる間もなく、電車は私を乗せて走り出した。
く、苦しい…!
朝も帰りもこれって…今日はついてないなぁ!
人と人がぎゅぎゅうに押し合う電車内で、バッグを腕の中に抱き締めて、どこか少しでも余裕のある所を必死に探す。けれどほとんどがサラリーマンたちで埋まる中では、潰されそうな体は痛いし呼吸もし辛い。
うぅ、どうしよう…。
するとその時、突然どこからか伸びてきた腕は私の腕を掴む。
「わ!?」
驚きながらもその腕に引っ張られるがまま、ぎゅうぎゅうな電車内を必死に進むと、気付けば私の体は車両内の一番隅、角となった部分にあった。