愛を知らないあなたに
だから。


琥珀様の顔が近くて・・・・・・

頭の中が支離滅裂になるのは、仕方がないのかもしれない。


そう思いたくはないんだけど。




「・・・どういうことなのだ?答えろ、生贄。」


琥珀様が質問を繰り返す。



「ど、ういうこと、って・・・そのまんま、です、よ・・・・・・。」


こんな至近距離で琥珀様を見れないあたしは。

すっと視線を床に移す。



「そのまんまとは?」


「~~~だ、だからっ!

その、い、意識してるからですよ!琥珀様のこと!!!

だから、顔が近くて恥ずかしくなっちゃったんです!」



言ってから。

またもやハッとした。


あたしはまたもやなんてことを言っているんだーーー!!!!!



「・・・・・俺を、意識している?」




――もうヤケクソだ。

あたしは恥を捨て、全てを暴露することにした。



「はい!琥珀様といると、心臓がもの凄い速さで鼓動を刻むんです!!!」


まくしたてるように言えば。





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