愛を知らないあなたに
「それはつまり・・・

俺に食べられると思うからか?」



琥珀様がいつもの冷たい声でさらりと言った。





・・・・・・ん?


その言葉に、あたしは首を傾げた。


あれ?そうなのか?

琥珀様に食べられると思うから、心臓バクバクいうの?



親しみがわくけど・・・・・・

ドキドキするのは、琥珀様があたしを食べる鬼だから?





―――あ、成程ね。




「・・・・・・そうですね、おそらく。」


確かにそれなら納得だ。

自分で気付かなかったのはどうかと思うけど。



「そうか。

だが、それなら俺を意識する必要はない。」


「え?」



何、それ。


どういう――




口を開きかけたとき、琥珀様があたしを見た。





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