愛を知らないあなたに
どこから何を話せばいいのか。


疲れた精神は、考える事を拒否している。





『ほら。おいで、凜。』


不意に、浅葱さんの声が蘇る。





浅葱さん、あたし――疲れちゃったよ。




なんだかすごく、胸が痛いんだよ。


あんなの・・・ある程度、予想できていたのに。



それでも、胸が、心が、痛くて痛くて・・・・・・


目頭が、熱くなるんだよ。






『凜。大丈夫?

泣きたいときは、泣いていいんだよ。』



浅葱さん、浅葱さん、浅葱さん・・・・・・。



泣きたいよ。

胸が、すごく痛いんだよ。



でも、でも。






今のあたしは、何にすがって泣けばいい?





< 147 / 377 >

この作品をシェア

pagetop