愛を知らないあなたに
何を心のよりどころとして。


立ち上がればいいの?





誰もあたしを愛してなんかいないのに――


誰もあたしを必要としてなんかいないのに――






浅葱さん・・・・・・会いたいよ・・・











「――――生贄?」




耳にスッと響く。

絶対零度の声。





「こ、はく・・・さま・・・・・・」



あたしは、現実に戻り。


琥珀様を見た。



なんでだろう―――


琥珀様が、ぼやけて見える。




頬を、生暖かい液体がすべっていく。





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