愛を知らないあなたに
なんでだろう―――




あたし、温かい何かに包まれた。







「泣くな。

お願いだから、泣くな・・・・・・」



祈るように。

琥珀様が紡いだ言葉が、耳に届いた。





なんでだろう―――



琥珀様の声が、すごく近くで聞こえる。






・・・・・・あったかい。



あたしを包んだモノは、とても温かい。






―――――あぁ・・・・・・。



あたしはこの温もりを知っている。





浅葱さんとは全然違うこの温もりを・・・・・・



あたしは、知っている。





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