愛を知らないあなたに
・・・えーっと・・・・・・。



確か、村から帰ってきて・・・

あたしはすごく疲れてて・・・

あたしは浅葱さんのことを思って・・・

視界がぼやけて・・・

琥珀様に抱きしめられて・・・

あったかいなぁって思って・・・

思って・・・・・・


思・・・って・・・・・・・・・







その後の記憶がないのだけども。







「あの、タマと琥珀様?」


「・・・な、にぃ?ひっく・・・」

「なんだ?」


「その・・・あたしは今まで・・・・・・一体何を・・・・・?」


「「寝てた。」」


「はい?」



見事に重なった2人の声に、あたしは思わず聞き返した。



『寝てた』なんていうのは、あたしの聞き間違いだ。

え、だって、ねぇ?


あの状況でだよ?

まさかまさか寝てたなんてことは――




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