いちごパンツのポートレート
「どうしてここが分かったの?
まだ家にも何処にいるのか連絡してないのに……
もしかして私が寝てる時にチップでも埋め込んだ?」
「どうでもいいから早く部屋に入れろ。通路にまる聞こえじゃねえかよ」
「人の城に勝手に来て何を言ってんでしょうね?この人は…」
ドア越しにそんなやり取りをしていたら注文した料理が届いてしまいホテルマンと一緒に学が入ってきた。
ワインに酔ってフワフワともうどうでも良くなって、
学のことは気にせず残りのワインと料理を美味しく頂くことにした。
「おまえ飲み過ぎなんじゃねーか?」
「もう1本あるけど学も飲む?」
「うわぁーこれ1本いくらするか知ってるのか?ガブ飲みかよ」
「知りませーん蓮兄のワインくすねて来たから……」
さっきまで怒っていた学が酔っぱらった私を見て笑っている。
失礼な男だ!
「で……何しに来たの?どうしてここが分かったの?」
「体にチップは埋めてない携帯だ……」
「へぇーそうなの?で……何しに来たの?」
「この酔っぱらいが……
おまえが家出したって小原家のみんなが心配してるから
探しに来てやったんだよ」