いちごパンツのポートレート
「そういう訳だから……奥さん今日からよろしくな」
「はい。よろしくお願いします。
でも……私、”持参金”貯まってないよ」
「ハハーー覚えてたか?
もちろんいらない。
俺もそんなに”結納金”出せないけど……それでもいいか?」
結局のところ私は学には敵わないみたい。
「今まで我慢した分、今日から糖度多めで行くから覚悟しろよ!
俺が舞衣のこと『ブス』って呼んでたのは周りの奴を牽制してたからだし、
舞衣の良さは俺だけが分かってたらいいんだ。
舞衣の生真面目な性格も、ちょっと屈折したところも、面倒見のいいところも
腹の底から笑った顔も全部好きだよ。
タレ目気味で色素の薄い黒目も、小さくて可愛い鼻も、ちょっと厚くてぽってりした唇も
右頬のエクボも、全部俺のツボ……もう食べていいか?」
学が好きだと言ってくれた部位に優しいキスが落ちてくる。
初めての甘い時間でゾクゾクするのに安心していられるのはどうしてだろう?
ただ気が付かないように用心していただけで私も学のことが好きだったんだなぁー
「舞衣明日になったら覚えてないってのは無しなぁー」
「あははー大丈夫だけど忘れたらまた学が思い出させてくれるでしょ?」
「上手いこというねぇー任しとけ……何度でも思い出させてやる」
いつもの意地悪な微笑みを浮かべ私に覆いかぶさる学
ずっと傍にいて何で知ってるつもりでいた……
私のことを20年も好きでいてくれたことが嬉しくて
今まで見たことも無い妖艶な表情で私を求めてくれるのが切ないぐらい愛おしい。