不条理な恋でも…【完】
愛の始まり(穂香)
その夜、大希さんに全てをさらけ出すのは、本当に恥ずかしかったけど…

今更のような気もした。

この人は私の一番悪い時を知っている。

そして、その時一番傍にいて寄り添ってくれた…

助けてくれた人でもある。

それを知った上で、それでも私自身を望んでくれた。


不条理な恋は、私に多くの苦悩と苦痛をもたらした。

それでも私にとってはなくてはならないものだった。

その後、大希さんが諦めなかったからこそ、

手にするささやかな幸せがここにある。

大希さんの愛が私には必要だった。


その夜から始まった蜜月は長く続いた。

大希さんは少しずつ仕事をセーブし始め、

夕食は必ず家で取り、週末は一緒に家で同じ時間を過ごした。

それは一時期同居していた時があったから

慣れた時間ではあったのだけど…

でも大希さんは、私を心配し続け、甘やかし尽くした。


でも、甘いだけの時間も長く続いてしまうと、

人間は段々その甘さに慣れ、もっと強い刺激が…

大きな変化が欲しくなる。


私がその時欲しかったのは、強い刺激ではなく、大きな変化だった。

やっと一人ぼっちじゃなくなって二人になり、

普通の人生を送れると思ったはずなのに…

望んでもなかなか大きな変化は起きてはくれなかった。
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