青春を取り戻せ!
それ処か、重量が増えていたのだ。

何度計っても同じだった。

…まさか!?

ある考えがよぎった。

…これは、胸線老化ホルモンではなく、胸線活性化ホルモンでは!?

生後1年5ヶ月経っている老マウスを、そんなものどうするのだという顔をしている実験動物販売店の店員から買って来た。

そして、それらを20匹づつ四つの檻に分け、それぞれ、プラセボ(薬を使用しない)A群と、SOD(酸化防止酵素)だけを与えたB群、例の胸線活性化ホルモンではと思える物を与えたC群、SODとそのホルモン両方を与えたD群に分け、飼育を開始した。

すでに老化の始まっているマウスは毛の艶も悪く、中には斑(まだら)に剥げているものもあった。
当然、動きも鈍く、食欲もなかった。

僕はすぐにでも死んでしまうのではという不安を持った。

しかし、心配をよそに1週間経過した頃、D群では他の群と比べて食事量が増えてきた。
そして、どことなく毛の艶が良くなってきたように見えた。

それから1ヶ月が過ぎた。

A群の一匹が死んだ。死因は心筋梗塞から心不全を起こしていた。

そして驚くべきことに、D群のマウスの斑に剥げていた毛の再生が進行していた。これは撮っておいた写真からも、剥げた部分の直径を記載しておいた記録ノートからも明らかだった。

その後はA群のマウスは次々に死んでいった。

僕と未美の昼のデートはその間も続いていた。
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