ここにいるよ
!!!

もしかして…

この声……


信じれなくてゆっくり声がする方に目を傾けると



「し!しの……ブブッ」


驚いて彼が私の口を手で抑え私は息が出来ない



シーッ

人差し指を私の口唇に当てながらはにかむ


「こんにちは」

「な…なん…で……」


忍は、小さな声で挨拶する


私は言葉にならない

キャスケットの帽子にメガネで身を隠すように目立たなくしてるつもりなのかな…?




そんなの無理だよ

だって忍のオーラは消せないもの……


私は分かるもん

出会える前は分かんなかったかもしれないけど


今は

声も

その笑顔も

私には隠せないよ

「あっ、やべっ!飯島さんだ」



「え?」


「せっかく来たのに〜」


体育館の入口で確かに飯島さんがキョロキョロ捜してる



目当ては忍かな?

何だ……

もう行っちゃうのか

せっかく会えたのに……


私は顔に出るくらい凹んだ


「せっかく抜け出したのに…よし!渚ちゃん!」



「え…」

「行こう」

「え!ちょっ…」
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