ここにいるよ
「ところで、連絡先聞いたの?」


「え?」


「原田忍の連絡先!」

「あっ、聞いてない」


「ったく!それじゃこっちから連絡出来ないじゃん!渚のバカ」


里子は、またため息


だってそんなの聞くような余裕なかったんだもん


ただ側にいる事が嬉しくて舞い上がるしか…



本当だ

聞いとけばよかった…

聞いとけばまた会えたかもしれないのに


本当にバカだ…


落ち込む私を慰めるように里子は慌てて


「忍は今日来ないの?」


「え…」


「双子の弟の試合でしょ?もしかして来たりしないのかな?」



「………昨日ね!一樹に聞いたんだけど!忍はね…」


あれから一樹に送ってもらう間、忍に来ないように言った訳を聞いた



それは本当に笑っちゃうくらい当たり前で少し切ない過去の話



「実は、昔ね……」


私は聞いた通り話し出そうとしたら


『忍が応援に来て忍のファンが騒いで試合にならなかったんだって、本当、迷惑なお兄さんだよ忍は〜♪』


すぐ後ろから聞き覚えある声が私の言葉を奪い遮った


???


ん?誰?
< 112 / 246 >

この作品をシェア

pagetop