桃色初恋、甘口キス
「わたし、憧れの先輩と付き合ってみたかっただけだったのかも。

先輩も、初めて告白されてつい、って感じでオッケーしたんじゃないかな?
だって先輩、わたしのこと知らなかたっし、実際会っても紅先輩の話ばっかりだったし。

普通に考えたらおかしいよね、知らない人と付き合うって。
きっと、わたしも先輩も、恋への憧れで付き合っただけ」

「え、でも愛ちゃん、あんなに……」

あたしは言いよどんでしまった。
あんなに好きだったのに? って言おうとして、やめた。

この感覚なのかな?
黄原があたしに言いかけてやめる感覚。
確かに、言うに言えないなぁ。
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