桃色初恋、甘口キス
「自信ないけど……。頑張って、みる。
黄原に、あたしも好きって、伝えてみる、ね」

「うみ」

突然、後ろから抱きしめられた。

「え、な……?」

「うみ。好きって言ってくれて、ありがとう。

あと、自信なくさせたのは俺のせいだから……。
これから一緒に取り戻そうな」

隣では愛ちゃんが微笑んでいる。

「黄、原……?」

どうして……?
さっきの会話、聞かれた……?

「ごめんね、うみちゃん。
わたしが呼んだの。
うみちゃんの本心を知りたいなら、お昼中庭に来てって」

あたしは、真っ赤になって俯いてしまった。
抱きしめる腕を振り切ろうにも、力が強くて無理だった。

は、恥ずかしい……。
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