桃色初恋、甘口キス
あたし達二人は、愛ちゃんの家を出て駅まで一緒に歩いた。
愛ちゃんは悩みに悩んで、ピンクのワンピースを選んだ。

駅には既に緑木先輩がいて、こちらに気づいて手を振った。
今日も爽やかな笑顔を浮かべている。

「愛ちゃん!」

「先輩!」

愛ちゃんが先輩の元へ駆けていく。
うんうん、今日も二人揃って、素敵。

「じゃあ、あたし行くね」

あたしは二人に手を振って、歩き出した。

今日は二人でランチの後、映画を観るらしい。
ドラマで見るような、王道デートだ。

デート、かぁ。
あたしもいつか……。
って、やっぱり無理か。
あたしみたいな女、デートに誘う男なんているわけないな、うん。

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