桃色初恋、甘口キス
「キス、しちゃった……」
また、抱きしめられた。

さっきみたいに押しのけようとしたけれど、今度は無理だった。
あたしだって女子にしては力がある方なのに。
男子と女子の力の差が、悔しい。

「まだからかうつもりっ?
騙されないって……ん……?!」

あたしは、それ以上言葉を発することが出来なかった。
唇を、温かなもので塞がれてしまった。

え……。
これ、キスしてる……?

あたしと黄原が……?

閉じられた黄原の瞳からは、感情が読み取れない。
何を考えてるのか、分からない。

押し付けられる唇が、熱い。
ああ、力が抜ける……。

力が抜けたあたしを、黄原が支えて、そっと唇が離された。

「青葉……」

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