桃色初恋、甘口キス
心配だから、ついてくよ?
と、登校してきた鈴木さんが、あたしの顔を覗き込んだ。

「だ、大丈夫……。ありがとね?」

そう? と、心配そうにしながらも、鈴木さんは自分の席へ着いた。

「青葉、赤すぎ」

「あんたのせい……」

隣で黄原は笑っている。
こないだまでのように、意地悪そうにじゃなくて、優しく。

その笑顔、あたしに向けられてるんだよね?
不思議……。

おかしいな、なんか、おかしい……。
でも、嫌じゃない、かな……?
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