桃色初恋、甘口キス
「放課後デートなの!」
「愛ちゃん!」

「先輩! 今行きます!」

愛ちゃんはあたしに手を振って、教室の入口で待つ先輩の元へと駆けていった。
嬉しそうに微笑む愛ちゃんと、爽やかな笑顔を浮かべる緑木先輩は、今日もお似合いだ。

愛ちゃんと先輩の初デートから、1ヶ月が経過していた。

バスケの大きな大会も終わり、穏やかな毎日。
そして今日は部活が休みの日。
愛ちゃんは、今日は先輩と放課後デートなんだ、と朝からウキウキだった。

「嬉しそうでいいなぁ、愛ちゃん」

親友の幸せそうな姿を目で追いながら、つい独り言が漏れた。

「じゃあさ、青葉。
俺たちもしようか」


< 62 / 115 >

この作品をシェア

pagetop