桃色初恋、甘口キス
ついたところは、落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。

「へぇ、意外。
黄原、こんな場所知ってたんだ?」

喫茶店とか、来るようなイメージがないけど。
それにしても、学校の近くにこんないい感じの喫茶店があったなんて、知らなかったな。

「実は初めて来た。
ここ、評判がいいんだよ、それで気になってて。
値段も手ごろで、出てくるもの全部美味しくて、ゆったり出来ていいらしい」

そうなんだ、と相槌をうちながら、あたし達は喫茶店の扉を開けた。

「いらっしゃいませ~!
って、あ!」

「あ、5組の……」

「立花さん?」


エプロン姿の同級生が、にこりと笑ってあたし達を出迎えてくれた。


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