桃色初恋、甘口キス
伝票に注文を書き込んで、水とおしぼりを置き、立花さんは去って行った。

彼女は、学校1だと評判の美少女だ。
こないだの文化祭でも、その可愛らしさでかなり目立っていた。

愛ちゃんも可愛いけど、立花さんも確かに可愛い。
比べるものじゃないし、あたしはどっちが1番だとかは言いたくないけどね。

「可愛いよね、立花さん」

「俺には、お前のほうが可愛く見える」

また、そういうこと言う……!
目の前の黄原は、テーブルの上であたしの両手を握って、真剣な眼差しを向けている。

「仲いいんだねぇ、デート?
注文のお品、お待たせ~」

そんなあたし達に、のんびりとした声がかかる。



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