桃色初恋、甘口キス
「そう、デート」

テーブルの上にコーヒーとケーキを並べる立花さんに、黄原は堂々と言い放った。

「ちょっと……!」

「だって、そうだろ?」

恥ずかしくて狼狽えるあたしを、黄原は優しく見つめている。

「ふふふ、ゆっくりしてってね」

可愛い笑顔を残して、立花さんは行ってしまった。

二人で放課後デートなんて……。
急に実感が湧いてしまって、あたしはやっぱり恥ずかしくなった。

あたしは熱い頬を押さえながら、気持ちを紛らわすように、ケーキを口に運んだ。

あ、このチーズケーキ、美味しい。
甘すぎなくて、好きな感じ。
今度、愛ちゃんにも教えてあげよう。

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