桃色初恋、甘口キス
「あれ? 黄原と青葉だ」

「やだ瀬田、今気づいたの?」

「だって、今までお前しか見てなかったし!」

カウンターで勉強をしていた二人が、こっちを見ている。
お前しか見ていないって、恥ずかしいセリフだな。

凄いな。鈴木さんが言ってた通りの熱い溺愛ぶりだ。

「おう、瀬田」

黄原が軽く、片手を上げた。

「あれ、黄原君と瀬田って、友達なの?」

「まぁな」

立花さんの質問に、瀬田君はあっさりそう答えた。
へぇ、あたしも知らなかった。

「黄原、久しぶりじゃん。
通路越しってのもなんだからさ、ちょっと話さない?」

「いいよ、な、うみ」

瀬田君に、黄原が答えた。
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