桃色初恋、甘口キス
「どうして、幸せ絶頂のはずなのに、泣いてるの?」

「え……?」

愛ちゃんは、目を見開いた。

「あ、あの……」

愛ちゃんは、ぽつぽつと話し始めた。

先輩はデート中、紅先輩の話を出すらしい。
それがつらくて、泣いてしまうそうだ。

「晴香なら、今きっとこうしてる」

「晴香なら、オムライスじゃなくて、カレー頼んだな」

……。
あたしは聞いていて、嫌な気分になった。

「知ってたよ、二人が小さい頃からの仲良しだって。
だから仕方ないのかもだけど……。

でも……。
いつも比べられて、つらい……。
晴香ならこうするのにって、デートの度にだよ……?」

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