桃色初恋、甘口キス
緑木先輩、それってひどい!

紅先輩と愛ちゃんを比べるなんて!
幼馴染と恋人を比べるなんて!

しかも本人に堂々とそれを言っちゃうなんて、なんてことするの?!

「あ、あ、でもうみちゃん、怒らないで……?
わたし、それでも先輩が、好きだよ?
きっと、そのうちわかってくれるんじゃないかな……?」

あたしの怒気を感じたのか、愛ちゃんがフォローを入れた。
困ったような笑顔で。

あたしには、愛ちゃんのその顔が、痛々しく見えた。

あたしは、愛ちゃんに寄り添ってあげたい、守ってあげたい。
愛ちゃんをそっと、抱きしめた。


< 79 / 115 >

この作品をシェア

pagetop