優しいカレの切ない隠し事
彼の名前は松山圭介。
わたしより10歳年上の35歳だ。
課長職に就いていて、編集業務のメインを担っている。
圭介は海外経験もあることから語学堪能で、将来を期待をされている人。
元々、本社採用の人だから、いつかは本社へ戻るだろうと、専らのウワサなのだ。
その時はきっと、海外部署での出版を任されると思う。
だから、わたしは密かに願っているのだった。
その日が来たら、圭介と一緒に海外へ行きたいって。
もちろん、圭介の『奥さん』として。