優しいカレの切ない隠し事


どうして二人が同じ反応をするの?

「圭介は何でもないとか言ってましたけど、栞里さんもその反応なら、何でもないってこと、ないですよね?」

わたしの言葉に、栞里さんが息を飲んだのが分かる。

「あのね、陽菜ちゃん。二人はライバル関係なのよ。だから、ちょっとビックリしただけ」

「ライバル関係って、圭介と涼太さんがですか?」

「そう。二人は同期で、共に本社勤務。そして、将来は海外勤務をしたい、いわば野心家の二人だから」

「はぁ…」

小さく微笑んだ栞里さんは、その後目をそらした。

「研修頑張ってね、陽菜ちゃん。今夜は徹夜よ」

「はい、そうですよね。頑張ります」

二人がライバル同士だなんて、全然知らなかった。

それならそれで、圭介が話してくれたっていいのに。

完全には納得出来ないけど、気にするだけムダな気もする。

だから、この話はもう気にしないことにしたのだった。
< 33 / 192 >

この作品をシェア

pagetop