右隣の彼
「こいつのいう事は無視してていいよ。どうせ自分の事しか考えてないんだから
 それより・・・・呼んだから」
呼んだ?誰を?いつ?なに?よくわからなくて首をかしげると駿さんは
にこっと笑いながら
「颯太となんていてもおもしろくないでしょ~一美さんが今一番会いたい人
 呼んだからもうちょっと待ってね」
そういって私の前にウーロン茶を差し出したのだが、颯太さんはというと面白くないみたいで

「ちょ!先輩今日は久しぶりに一美と会えたんだから邪魔するような事やめてくださいよ」
駿さんに文句をいうもののさすが先輩だけあって駿さんは颯太さんが文句を言っても
表情一つ変えなかった。
「お前はここでおとなしく飲んでろ!大体、お前は一美さんの事よりも自分の事
 ばかりじゃないか!葵の事は自分で何とかしろ!一美さんに結婚がどうのこうのって
 いう質問も女性に失礼だぞ!・・・だからお前はかっこよくてもモテないんだ!」

さすがに今も一言が効いた様で颯太さんは不貞腐れた様な顔で目の前の酒を一気に飲んだ。
「駿さん・・・私、岸田君に颯太さんとは接待でって事になってて・・・
 まさかここで2人で飲んでたなんて知ったら・・・いろいろと厄介かな~って」
駿さんが気を利かせてくれたのはうれしいけど
正直この状態はまずい・・・
昼間夏さんから散々颯太さんのイケメンぶりを聞かされてたんだもん。
絶対に怒る。
だが駿さんは笑顔で大丈夫と言った。
「颯太は死角になるような場所に移動してもらうし、僕がちゃんとうまくいってあげるから
 安心して。それより・・・さっき颯太が言った事気にしないでね。」

「・・はい。いろいろとすみません。」
謝る私に駿さんは変わらぬ笑顔でいいよと言ってくれた。
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