右隣の彼

恋愛相談?

「駿君!津田先輩がいらっしゃったわよ」
顔に似合わず声を弾ませ大きな声で私が来た事を岸田くんのお兄さんである
駿さんに伝えた。
私が遠慮がちに会釈をすると駿さんは笑顔で会釈した。
そしてすぐに彼女を見ると小さな子供を叱るように小さなげんこつを頭に当てた
「こら!美由・・・大きな声をださない。それに彼女は美由の先輩じゃないんだぞ。」
美由さんは口を尖らせながら、はいと返事をすると、すぐに私の方を向いた。
「じゃあ~一美さんって呼んでいいですか?私は岸田美由…美由って呼んでください」

かわいい・・・女の私が見てもそう思う。
その美由さんは岸田くんの彼女ではなくて、お兄さんの奥さんだった。

スツールに座ると慣れた手つきでお手拭きを差し出された。
「ありがとうございます。あの・・・スプモーニください。」

どうしてここに来たのか正直よくわからない。
店の前で美由さんに声をかけられなかったら
ここでカクテルを注文することもなかったと思う。




ここに来た目的は?
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